2020年4月3日

変数、定数、関数

今回は、変数、定数、関数についてです。

目次
  1. 変数
  2. 定数
  3. 関数
  4. 関数のグラフ
この記事を動画にしてみました。あわせてご覧ください。

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(数式の部分、スマホから見ると文字化けしてしまうかもしれません。TeX系の宿命です。申し訳ないです…)


1 変数

値が変わりうるものを変数といいます。たとえば、お店の販売量や売上はお客さんの入り、天気、季節柄などによって変わりますので変数です。また、駅の利用者数や荷物の配達個数、株価や30℃を超える日数も変数です。私たちのまわりには、変数がたくさんあります。変数は $x、y、z$ のような後ろの方のアルファベットで表すことが多いです。

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2 定数

値が定まっているものを定数といいます。例えば、高校の物理に出てくる光の速さはだいたい $3億m/秒$ です。また、ガリレオがピサの斜塔から重りを落として発見したといわれる重力加速度は $9.8m/秒^2$ です。これらは値が定まっている定数です。

条件を整えれば結果が変わらない物理現象には定数が登場します。多くの人が自由に行動する経済現象には、はっきりとした定数がありません。「これは変わらないもの」と仮に決めて定数にしています。定数は $a$、$b$、$c$ のような前の方のアルファベットで表すことが多いです。

* 光の速さについてはこちら。実験映像はこちら。 
* 重力加速度についてはこちら。真空で実験しています。

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変数のイメージは、「ぷるぷるしている」とか「じっとしていない」です。定数のイメージは「でーんとしている」とか「じっとしている」です。ご主人様が帰宅したとき、犬は玄関へ走って行って喜びを表現しますが、猫はじっとしています。変数=🐕、定数=🐈とイメージするとよいかもしれません。

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3 関数

変数どうしの関係を関数といいます(古いテキストには函数と書いてありますが、同じものです)。たとえば、販売量と売上の関係は関数です。この関係を $f$ という記号で表してみましょう。

$$f:販売量 → 売上$$

数学のテキストに、このような "→" を用いた表現があったのを覚えている人もいるかもしれません。販売量を $x$、売上を $y$ とおいて、もう少し数学っぽく書くと次のようになります。

$$y=f(x)$$

この式は、「ワイ・イコール・エフ・エックス」と読みます。$x$ と $y$ には何らかの関係($f$)がある、という意味です。生活のまわりには変数があふれていますので、関数もそこかしこにあります。(私たちには、それがなかなか見えませんが…)


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4 関数のグラフ

販売量の2倍が売上になるとしましょう。この関係を関数で表すと

$$y=2x$$

$x$ と $y$ は変数、2は定数です。この関数はシンプルですが、複雑な問題を考えるときには複雑な式を使うこともあります。そんなとき、理解の助けとなるのがグラフです。下図は $y=2x$ のグラフです。











このグラフを使って、次のようなことを考えられます。

・いくつ売るといくらの売り上げになるか
・売上を達成するためにいくつ売ればよいか

こうしたことは、お店で日々話題になることだと思います。「アバウトな感じ」ではなく「かっちりとした関係を示すわかりやすいグラフ」を用いれば、運営方針を客観的に眺めたり、思考を一般化したりできます。

私たちは、お店の売上のような日常の問題に取り組むことが多いです。そういうときに力を発揮するのが、関数とそのグラフです。少しずつ学んで使ってみましょう。